オーダー四弦ついに完結編です。
内容多めになりますが最後までよろしくお願いします。
前回までの内容はこちらから↓
早速お見せしたいところなんですが、ネタバレ回避のため塗装部分を公開していなかったので最初に少しだけ触れさせて下さい。
まず最初の段階ではこのような感じでした。
鮮やかな青ですね。
このままでもかっこいいんですが自分の理想はこれではないんです。
そして次の段階はこちら。
分かりますかね?
青には違いありませんが、先ほどよりも黄色味がかっています。
分かる人には分かるかもしれませんが自分の理想はこのような焼けたLPBなんです。
ちなみにこのカラーにはモデルがあります。
自分の敬愛するTHE BACK HORNの岡峰光舟さんが使っているFender 66'jazzbassのカラーを参考にしました。
雑誌の色でも写真に撮ると若干異なるので伝わり辛いかもですが、かなり忠実なんです。
そしてレリックに入りこのような感じになりました。
クラックや打痕が絶妙な塩梅です。
ネックも派手に剥がしてもらいました。
多分自分では何年弾いてもこうはならないと思ったので笑
この塗装はアストロノーツギターズさんによるものです。
これは流石としか言えません!
このような拘った塗装を経てようやく完成しました。
自分も含め楽しみにしてくれていた方々お待たせしました。
Humpback Engineering
JBstyle 4st 22F/w binding
堂々完成です。
サウンドについては後ほど触れるとしてこの見た目、刺さる人は多いんじゃないでしょうか?
カラーリングの再現もさることながらビンテージ感の匂わせ方が想像以上に良いです。
ピックガードは完全に自分の独断と偏見で、このようなベースに対して鼈甲はイキっていると思ったからです笑
まだ若い方なのでイキらせて下さい。
細かく紹介していきます。
ヘッドは当初からマッチングヘッドの予定でしたが、インレイは制作の途中から盛り込んでもらいました。
結果色と相まって鯨が優雅に泳ぐような様になってます。
角度によってはクラックもはっきり見えます。
GOTOHのウルトラライトペグとのバランスを考えて通常よりもヘッドは小さめです。
続いてネックへ。
汚れ具合が良き!
左右非対称かつちょっとした工夫で弾きやすさ抜群です。
通常のJBに比べてネックは厚めにしてありますが、やはりサウンド面を考慮するとこのくらいないと、というバランスを確保しています。
指板は普遍的なインディアンローズですが、戸田さんの選定で質の良いものを選んでいただけました。
最初見たときエボニーかと思ったくらいには黒く感じましたね。
ブロックインレイは自分の好みです。
サイドはバインディングあり。
こちらも自分の趣味です。
視認性の確保のため蓄光タイプのサイドドットを入れましたが通常白なのでバインディングと被るため、黒縁タイプのを採用しています。
そしてこちらは戸田さん考案のレールジョイントが確認できます。
ロッドを挟んで対象に細長い隙間があるのが確認出来ますでしょうか?
ネックを凹凸に組み合わせることで剛性を高めています。
22Fという音域の比さとツバ出しではないボディーと接地させているのもこだわりです。
そしてボディー。
22Fまで確保しているため、下のホーンは短めですが、上のホーンは通常のものと変わりない位置なので構えた時の違和感がありません。
ディンキーではなくフルサイズボディーとして一から設計していただいたのもバランスや音のためというのが大きいです。
この角度からのクラックが絶妙なんですよ。
まあ裏なんで自分しか見れないんですが。
ハイポジションでの演奏性の確保のため大胆なヒールカットとを施してもらいました。
最高音までノンストレスで運指できます。
そして今回自分でも驚いた点はブリッジです。
何か違和感を感じませんか?
コマが斜めに入ってるんです。
こちらはビンテージタイプのブリッジです。
このようになってる理由としては、サドルへの弦の進入角度を浅くするためです。
これを実現するために、ネックポケットの深さやネックの厚さまで設計しているそう。
さらに言えばビンテージに限りなく寄せるため、サドルのイモネジの底は丸くなっており、ブリッジやネックプレートも鉄製となっています。
戸田さん曰く、鉄は散らない締まった低音と、クリスピーなアタックが出る倍音感があって、音楽に貢献するバランスの出音になりやすいとのこと。
凄まじい拘りでしょう。
サドルへの弦の侵入角度の話については戸田さんお勧めの下記のリンクを参考にして下さい。
そして肝心な音です。
近々キャスか録音でご紹介出来ればとは思いますが、先に言葉で説明させていただきます。
もう自分はパッシブJBの最高峰にたどり着いたのかもしれない。
そう思わざるを得ないサウンドです。
自分のモデルということもありますが、とにかくローポジでもハイポジでも弾きやすい。
どの弦、どのポジションで弾いても太さとレスポンスが衰えない。
G弦の存在感ってこんなにあるのかと思いました。
倍音の豊かさ、サスティーンの長さなど良い点は上げれば切りがない。
ローポジでコード弾きをしても分離感が良いのでローインターバルリミットの概念が少し崩れた感すらあります。
何より一番拘ったのはトーンでの音作り。
良きパッシブベースは結局はトーンが肝になると考えていて、戸田さんによるコンデンサの組み合わせや話題の小島半田製造所さんの半田HMXシリーズの使用により、ビンテージサウンドからモダンなハイファイサウンドまでコントロール出来るようになりました。
ピックアップはダンカンCSのウェザーリポートですがこれも素晴らしい仕事をしてくれています。
ピックアップの位置も拘っていてフロントのみのPBチックな音の図太さ、リアのみは勿論ジャコトーンなんですがそれでも太く存在感があります。
重さは3.8kg。
重すぎず、軽すぎずベストな重量に仕上がりました。
まさに自分の思い描いていた"理想の一本"が出来あがりました。
もっと詳しいスペックは以下の通りです。
参考にしてみてください。
今回フルオーダーするにあたり、自分の漠然としたイメージや今までの経験から出した自分なりの答え、それを全て感じ取ってさらにビルダーさんの長い経験と知識を総動員して作ってもらったこのベースはユーザーとビルダーの共作と言えると思います。
戸田さんとはもう8年くらいの付き合いになりますが、それだけの信頼と頼れるだけのバックグラウンドがあったからこそ、この件を預ける事ができました。
他のメーカーで同じように頼んでも間違いなくこうならなかったでしょう。
本当に感謝しかないです。
このベース関わって下さった全ての方へありがとうございます。
しかし!
まだこのベースやり残してることが2つあります。
一つはネックの調整。
上でも述べた通りサウンド面を考慮して太めにしてありますが、これからしばらく使って気になるところは微妙に削る方向になっていきます。
現状は弾きやすいんですが、使ってくうちにここはもう少し薄くてもというところが出てくると思うので、サウンドに影響でない程度に削って行こうかと思います。
そして2つ目。
こっちのが重要です。
名前が無い!!!
JB〜と上に書いてありますがあれはあくまでも仮というかとりあえずの名称なんです。
普段なら別に名前とか拘りはないんですが、このベースには名前を付けなければならない理由があります。
実はこのベース、、、、、、
継続生産決定しました!
はい。
自分のモデルHumpback Engineeringさんのところで正式に販売されることになりました笑
というのも、戸田さんは現在も多忙を極めていて楽器のカスタムオーダーの受付をストップしています。
そちらにさける時間が中々無く、どちからといえばリペアやガジェット系の設計の方が需要があるためそちらに作業が集中しています。
しかし楽器は何かしら作りたいというところ。
自分のモデルであればすでにデータもあり、他の人に塗装前に試してもらったところ評価も上々。
製作の作業効率も良いので今後はこのモデルを取り扱っていくことにしてくれたようです。
自分のモデルが売りに出されるってなんか不思議な気分ですね。
そんなこともあり、このベースには近々モデル名を正式に付けたいと思ってます。
いいアイデアあればこっそり教えて下さい笑
ちなみに仕様としてはほぼこれと変わらずなんですが、バインディングやレリックは無しというのが通常仕様になるようです。
それで大体45万前後と考えていただければ。
(下手に当たり外れのある楽器探すより絶対お得だぞ(クソデカ大声)
在庫が出来たら気になる人は試してどうするか判断という形になるかと思われます。
まだ名前も決まってませんし在庫もないのですが、気になる人は是非戸田さんのところにご連絡を!
バックオーダー抱えるくらいきたら最高です笑
今回完成時におまけとして半田HMXシリーズを使用したシールドのTweed Whiteを頂きました。
これがまたベースに合う。
自分のシールドと比較しても明らかに異なりました。
半田で音は変わるぜ。
こちらについてはまたしっかり試したらブログに記します。
長々とありがとうございました。
これにて完結!
是非各メーカーさんチェックしてみて下さい↓
設計/組み込み
HUMPBACK ENGINEERING 戸田さん
たー@HUMPBACK eng. (@tar_wjaz) | Twitter
HP
https://www.humpback-engineering.com/
塗装
Astronauts Guitersさん
アストロノーツギターズ (@astronauts69) | Twitter
HP
Astronauts Guitars – アストロノーツ・ギターズ
半田
小島半田製造所さん
HP
音響用はんだHMXシリーズ | 小島半田製造所 フラックスの特性を最大限に生かしたやに入りはんだの開発・製造
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